A sweet trap

あの有名な、ハリー・ポッターと出会ったのは2年前。

入学式で彼を見かけた時はただ『有名人』なんだなってそうとしか思わなかった。

でも、彼を違う視点で見る様になったのは最近の話ではない。



A sweet trap 


は妖精学の課題をまとめる為に図書室にいる。

「妖精…妖精・・」

「あっ。あったこれだ。」

はその本に手を伸ばすが…

「…取れない…もう少しなのにっ」

そう言ってもう一度手を伸ばした時突然後ろから

「僕が取ってあげるよ」そう言っての横に手が伸び

パッと取るとに「はい」と言って渡す。

はしばらくためらってしまった。

だっての目の前にいるのは誰でもないハリー・ポッターだったから・

「どうしたの?」


「えっ?あっ////ごめんなさい。ありがとうハリー君。」

「いいよそんなの君は名前だったよね?」

「えっ何で知ってるの?」

「何でって君と僕は一緒の寮じゃない」

ハリーは笑いながら言うと

「全然話した事がなかったから名前なんて知らないと思ってたの///」

は少し恥ずかしくなり赤く頬を染めもう一度ハリーを見るとと同じ羊皮紙を持っていた。

「あの・・ハリー君?」

「ハリーでいいよ」

「そう?じゃぁ・・ハリーもまだ課題終わってないの?」

「うん。クィディッチの練習で中々出来なくて。」

「良かったら一緒にしない?」

「良いの?助かるよ」

それ以来、は廊下でハリーにすれ違うたび何度か言葉を交わせるようになった。



「ハリー?どうしたの?」

昼食を終え、寮に戻ろうと廊下を歩いていた時、ハリーに呼び止められ

「あのね、今日の放課後もし暇ならクィディッチの練習するんだ良かったら見に来ない?」

「えぇ、行くわ。」

「じゃぁ放課後待ってるね。」

ハリーはそう言って帰って行った。



放課後

クィディッチ競技場の観客席に着いたは空中でふらふら揺れているハリーに手を振った。

ハリーはに気づきのすぐ横に着地した。

「良かった来てくれてもう少しで練習終わるんだそしたら一緒に帰ろう?」

「うん。」

そう言うとハリーはまた空に戻った。

はクィディッチのチーム練習を見るのは初めての事だった。

選手の中でやけに張り切っているのはキャプテンのウッド

双子は先の方でブラッジャーをあっちこっちに投げ返して

しばらくしてウッドの声が聞こえどうやら練習が終わったらしく選手達が地に下りて来た。

ハリーは直ぐの所に戻り

ごめんねつまらなかったでしょ?」

「ううん、すごく面白かったわ。」

はニコッと微笑み言う

「帰ろうか?」

「うん。」

とハリーは一緒に寮に向った。


「・・・・」

如何しよう;いつもは、まだ一緒に歩いてても話すのに今日は何にも出てこない…



がそんな事を考えていた時…

「あのねちょっと聞きたい事あるんだけど」とハリーが口を開いた

は、その…」



ハリーが言いかけた時

「ハリー先輩ー」

と女の子の声がして途切れてしまった。

その女の子は同じグリフィンドールの子で

をチラッと見ると

「あのハリー先輩ちょっと良いですか?」

「えっ、あぁ良いけど何?」

「ちょっとここじゃ・・」

と言ってハリーの腕を掴み奥に連れて行った。


一人その場に残された



「何・・ちょっと待ってよ…ハリーを連れて行ったって事は、言うことは…」

の頭に二つの文字が浮かんだ

「そんなの嫌よっ」

は急いでハリー達の行った方に向うとさっきの女の子の声がし

は見つからないように隠れた

様子からすると女の子はもう言い終わった様で

顔情が余りに明るかったニコニコ微笑んでいたのだ

は胸が締め付けられた様に熱くなった

もしかしてハリーが受けたのではないかと不安になり

思わず涙が出て来た

しばらくして話が終わったのだろう女の子は寮の方に歩いて行った

ハリーはそのまま廊下の壁に寄り掛かり

は当たり前だが出るに出られず今も隠れて座ってる


でも涙は止まらないまま


「・・・・そこに居るんでしょ?」

はハリーからでた言葉に体をビクッかせ

が目を開けた時には同じ目線にハリーの顔があった

両手を廊下にペタンと付いたまま泣くの大粒の涙をハリーは優しくぬぐう

「僕が取られると思った?」

は図星な事で顔を真っ赤に染めた

「嫌だと思って追いかけて来たんでしょ?」と少し意地悪に言うハリー

「・・でも…受けたんでしょ?…」そうが小さく言うと

ハリーはクスッと笑いの頭を撫で

「受けてないよ」

「嘘・・だってあの子笑ってたもの・・普通好きな人に断られたら泣くわよ・・」

「私が今そうなんだから」

そのの言葉にハリーの顔が黒い笑みに変わる

「僕の事好きなんだ」

「なっ・・!////」

さっき言った事を思い出しは思わず両手で口を押さえた

「僕だけかと思ってたのにな」

「はっ?」

はその言葉に驚きを隠せなかった

は知らないの?僕はと一緒の寮だから名前を覚えてたって言ったよね?」

「でも・・それだけじゃないんだ」

の事、皆、狙ってるって知ってた?誰にでも優しくて、聞き上手、可愛いし、でもだからと言って目立とうとしないそんな君が魅力だったり」

「僕は如何にかしてに近ずいて少しずつでも距離を縮めようとしてに話しかけたり芝居までしてもらった」

「芝居?」

が僕の事少しでも想ってくれてたらと思ってさ試した…と言うか知りたかった」

そう言ってを抱きしめる

「/////何私まんまとハマったの?」

「そうみたいだね」 ハリーが笑いながら言う

「そんな事しなくたって私は・・」

「初めから貴方に恋をしてたんだから////」

そしてもハリーを抱き返した

頬を真っ赤にしてハリーの胸に顔を埋める

ハリーはの顔を起こし鼻先に優しくキスを落とし


「大好きだよ」

と今度は深い深いキスをした


+Fin+

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